7Artisans 55mm F1.4 II FujifilmXマウントレビュー

仕様と価格

Pergearの好意により、富士フイルムXマウント用レンズ「7Artisans 55mm F/1.4 II」のサンプルを送っていただきました。私は富士フイルムカメラばかり使っている写真家なので、これは素晴らしい配慮でした。 私はすでに富士フイルム56mm F / 1.2レンズを持っていますが、7Artisansをレビューしてみて、価格差が実際に正当かどうか確認することにとても興味がありました(冗談抜きで、価格差は7倍なのです!)。結果として 、私はこの小さなマニュアルレンズが提供してくれるものに非常に感激し驚きました。そして私はあなたがこの素晴らしい掘り出し物を手にするべき正当な理由をお伝えしたいと思います。 私は「ピクセル画質オタク」ではありません。主にフィールドでのレンズの品質に興味があります。それでは、以下が私のレビューです。

重量:365g

価格:129ドル

長さ:65mm

フィルター:52mm

絞り羽根数宇:9

最短撮影距離:42cm

絞りリング:クリックレス

スタイル、製品クオリティ、人間工学

 

製品クオリティの面でこれほど良い印象を与えるレンズを手にすることはあまりありません。金属製なので、カメラに取り付けたときの重みに安心感があります。おもちゃのレンズからはほど遠いです。ヴィンテージスタイルは富士フイルムカメラにぴったりです。このレンズはマニュアルなので、最近のレンズでは見かけない情報が表示されます。距離リングと、選択した絞りに応じて焦点距離を示すマーカーです。ストリートスナップのヒントに関する私の記事を読んだ人は、私が多くの状況で過焦点距離を使用していることをご存じでしょう。しかし困ったことに、このレンズの絞りリングはレンズの前方にあり、使い勝手が変わってしまうのです。

この変化に慣れて、フォーカスリングではなく絞りリングを回さないようになるには少し時間がかかります。特に絞りリングはクリックレスなので、一部の人にとってはデメリットであり、ビデオグラファーの友人にとっては利点となるかもしれません。ですから、私はこれについて異論があるわけではなく、問題とは考えていません。いずれにせよ、絞りリングの位置は定期的にチェックしていますが、富士フイルムのものは一般的にとても柔らかく、簡単に回ってしまいます。フォーカスリングに関しては使い心地が良いです。半径が短いので、少し練習すれば素早くピントを合わせることができます。

私が特に評価しているのは、このレンズのコンパクトさです。特に黒バージョンでは控えめなスタイルが可能です。これにより、たとえば富士フィルムの56mmとは異なり、バッグに入れる際に何も考えずに済みます。レンズには、簡単にスライドできる保護キャップが付属していますが、紛失すると困るので、レンズの保護を気にせず、できるだけ早く撮影できるように、他のレンズと同様52mmUVフィルターを装着することをお勧めします。

 画質

 

この小さなレンズの画質には感銘を受けました。このレンズの描写を正確に把握できるように、作例はみな補正なしのSOOCです。

 箱から出したばかりの富士フイルムのカメラで得られる画質を正確に把握できるよう、後処理はしていません。ここには一切不正はありません!私は「ピクセル画質オタク」ではありません。このタイプのアプローチは、商業目的でスタジオ撮影している場合を除き、アーティストにとって何も面白くはありません。

それなら、このレンズをメインに考えているのではなく、もっと高価なソリューションを考えているのではないかと思います。しかし、このレンズの技術的なレンダリングについて、より正確なアイデアを得たい方のために、いくつかの要素をご紹介します。

この比較でわかるように、シャープネスはすべての絞り値でかなり均一です。絞り開放では明らかに後退しているものの、このレンズの品質を損なうほどのものではありません。絞り開放で完璧なレンズはありませんし、F/ 1.4での優先順位は必ずしも高くありません。

私がずっと使っているのは、ほぼこの絞り値です。一方、シャープネスの観点からこのレンズを最大限に活用したい場合、私の意見では、スイートスポットは中央とコーナーの両方でF /5.6前後です。 F / 4までは後処理で簡単に修正できるケラレが少しあることは考慮に入れておいてください。若干の歪みと色収差もありますが、私のスタイルの写真では、気になりません。

 ボケ味は、状況に応じて、ソフトで繊細です。被写体は背景からよく際立って見えます。このレンズは、画質の点で上級写真家のあらゆる期待に応えてくれます。

芸術的アイデンティティ

近頃のレンズの問題点は、カメラによって生じた歪みを外科手術のように消し去ってしまうことです。そうすると、すべての画像は当たり障りのない、標準的な、魂のないものに見えてしまいます。これは、7Artisans55mm F / 1.4が提供するものとは逆です。画像は独自のアイデンティティを持ち、欠点も一つのクオリティとして画像に独特の芸術的な表現を与えるのです。多くの人がビンテージレンズを好むのはこのためです。こんな風に言うのは、私もビンテージレンズと同じようにこのレンズを楽しく使っているからです。また、マニュアルフォーカスは、カメラや周囲の環境とのつながりをより深めてくれます。

失敗やピンぼけは、フィルム写真の魔法を彷彿とさせます。その不完全さは伝えたいメッセージに実体を与えます。画像は有機的で、それが「キャラクターレンズ」と呼ぶこのタイプのレンズで特に気に入っている点です。

55mmは私がストリート写真に選ぶ焦点距離ではありませんが、あらゆる状況(ポートレートやドキュメンタリー)において、広角との組み合わせで完璧に機能します。また、最短撮影距離とボケ味のおかげで、このレンズで商品写真を撮ることも可能です。サンプルとして、カメラから取り出したままのJPEG写真を掲載しています。

最終的な考え

このレンズは、特にその非常に手頃な価格を考えると、必需品といえるでしょう。きっとあらゆる写真家を満足させることができると思います。例えば、低価格でありながらプロの品質を求めて、ポートレートを撮影するための明るい固定焦点を探しているアマチュアの方、コンパクトなレンズを探していて、写真に独特の個性を与えることでフィルム写真の楽しさを再発見したいプロの方などです。

私は家族の思い出を収めるため、これをどこにでも持っていきたいと思います。一方、これよりずっと大きい富士フィルム56mm F1.2の方は持っていくのをためらってしまうでしょう。

このレンズは簡単に手に入れることができ、そして決して失望することはないでしょう!

筆者紹介

私はディラン・シラグサノ(@ scopic.drive)といいます。南仏のニースを拠点とするストリートおよびドキュメンタリーフォトグラファーです。 2006年にストリートスナップを始め、2009年には結婚式のフォトグラファーになりました。2011年のイタリア統一150周年を記念してローマのrectorateに出展しました。心理学も卒業しています。これらの2つの領域は密接に関連しており、相乗効果があります。私にとって、写真は環境との関係だけでなく、私たち人間との関係を問う手段なのです。

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